水素エンジン車と燃料電池車の違い。燃費とかエネルギー効率とか

水素エンジン車とは。燃料電池車(FCV)との違い。燃費とかエネルギー効率とか、どっちがいいの?

疑問をまとめました。

水素エンジンのイメージ

水素エンジンとは

水素エンジンとは、水素を燃料とする内燃機関です。水素を燃焼すると、水と熱が発生し、二酸化炭素は発生しません。そのため、水素エンジンはガソリンエンジンよりもクリーンな代替手段となる可能性があります。

ただし、水素エンジンには、水素の貯蔵が難しいことや、窒素酸化物が発生する可能性があるなどの課題もあります。これらの課題にもかかわらず、水素エンジンの研究開発は継続されており、将来の輸送に役割を果たす可能性があります。

水素の燃焼反応の化学反応式 2H2+O2=2H2O

水素エンジン車とガソリン車の違い

水素エンジン車とガソリン車の違いは、燃料と排出ガスです。ガソリン車は、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出する化石燃料であるガソリンを使用します。一方、水素エンジン車は、燃焼時に水(H2O)を排出する水素を使用します。そのため、水素エンジン車はガソリン車よりも環境に優しいとされています。

ガソリン(主成分:イソオクタン)の燃焼反応の化学反応式 C8H18+12.5O2=8CO2+9H2O

水素エンジン車と電気自動車の違い

水素エンジン車と電気自動車の違いは、大きく分けて以下の2つです。

燃料と動力源

水素エンジン車は、水素を燃料とする内燃機関で走行します。一方、電気自動車は、電気モーターで走行します。

排出ガス

水素エンジン車は、燃焼時に水しか排出しません。一方、電気自動車は、走行時に排出ガスを一切排出しませんが、製造や充電時に排出ガスが発生する可能性があります。

具体的な違いのまとめ

項目
水素エンジン車
電気自動車
燃料
水素
電気
動力源
内燃機関
電気モータ
排出ガス
なし(製造や充電時に排出される可能性がある)
補給時間
数分
数十分〜数時間
航続距離
300〜600km程度
300〜500km程度
価格
高価
比較的安価
インフラ
水素ステーションが必要
充電スタンドが必要

水素エンジン車と電気自動車は、どちらも環境に優しい自動車として注目されています。ただし、水素エンジン車は水素ステーションの普及が課題であり、電気自動車は充電時間の短縮や航続距離の延長が課題となっています。

今後、水素ステーションの普及や充電技術の進歩が進めば、どちらの自動車も普及が進む可能性があります。

水素エンジン車と燃料電池自動車との違い

水素エンジン車と燃料電池自動車は、どちらも水素を燃料として使用するため、一見すると似たような自動車に見えます。しかし、両者には以下のような違いがあります。

項目
水素エンジン車
燃料電池自動車
燃料の使用方法
水素を燃焼させる
水素と酸素の化学反応で電気を作る
動力源
内燃機関
電気モータ
排出ガス
水(製造時に排出される可能性がある)
航続距離
300〜600km程度
300〜500km程度
価格
高価
比較的高価

水素エンジン車は、水素を燃焼させてその熱エネルギーで動力を得ます。そのため、ガソリン車と同様に、排気ガスに窒素酸化物が発生する可能性があるという課題があります。また、水素の貯蔵が難しいという課題もあります。

一方、燃料電池自動車は、水素と酸素の化学反応で発電した電力で電気モーターを動かします。そのため、水素エンジン車と異なり、排気ガスは水のみです。また、水素を貯蔵する際に発生するエネルギーロスが少ないため、水素エンジン車よりもエネルギー効率が高いというメリットがあります。

水素エンジンと燃料電池のエネルギー効率の比較

水素エンジンと燃料電池は、どちらも水素を燃料とする自動車です。しかし、エネルギー効率の面では、燃料電池の方が水素エンジンよりも優れています。

水素エンジンは、水素を燃焼させて動力を得ます。その際に、水素の化学エネルギーが熱エネルギーに変換され、その熱エネルギーによってエンジンが動きます。水素エンジンのエネルギー効率は、一般的に30%程度とされています。

一方、燃料電池は、水素と酸素の化学反応で電気エネルギーを得ます。その際に、水素の化学エネルギーが直接電気エネルギーに変換されるため、エネルギー効率が非常に高くなります。燃料電池のエネルギー効率は、一般的に60%程度とされています。

また、水素エンジンは、水素の貯蔵が難しいという課題もあります。水素は、ガソリンや軽油などの化石燃料に比べて、圧縮や液化などの貯蔵が難しいため、水素エンジン車の普及には、水素の貯蔵技術の開発が不可欠です。

一方、燃料電池は、水素の貯蔵が比較的容易です。燃料電池は、水素と酸素の化学反応で電気エネルギーを得るため、水素を直接貯蔵することができます。

このように、水素エンジンと燃料電池は、エネルギー効率や水素の貯蔵のしやすさなど、それぞれにメリットとデメリットがあります。今後、水素エンジンの技術開発が進み、水素の貯蔵技術が向上すれば、水素エンジンの普及が進む可能性があります。

水素エンジンと燃料電池の燃費

水素エンジンと燃料電池は、どちらも水素を燃料とする自動車です。しかし、燃費の面では、燃料電池の方が水素エンジンよりも優れています。

水素エンジンの燃費は、一般的にガソリン車と同程度です。水素エンジンは、水素を燃焼させて動力を得るため、ガソリンエンジンと同様に、燃焼ロスが発生します。そのため、燃料のエネルギーを効率的に動力に変換することができず、燃費がガソリン車と同程度になってしまいます。

一方、燃料電池の燃費は、一般的にガソリン車よりも優れています。燃料電池は、水素と酸素の化学反応で電気エネルギーを得るため、燃焼ロスが発生しません。そのため、燃料のエネルギーを効率的に動力に変換することができ、燃費がガソリン車よりも優れるのです。

また、水素エンジンは、水素の貯蔵が難しいという課題もあります。水素は、ガソリンや軽油などの化石燃料に比べて、圧縮や液化などの貯蔵が難しいため、水素エンジン車の普及には、水素の貯蔵技術の開発が不可欠です。

一方、燃料電池は、水素の貯蔵が比較的容易です。燃料電池は、水素と酸素の化学反応で電気エネルギーを得るため、水素を直接貯蔵することができます。

このように、水素エンジンと燃料電池は、燃費や水素の貯蔵のしやすさなど、それぞれにメリットとデメリットがあります。今後、水素エンジンの技術開発が進み、水素の貯蔵技術が向上すれば、水素エンジン車の普及が進む可能性があります。

具体的な燃費の比較としては、トヨタのMIRAI(燃料電池車)の燃費は、WLTCモードで115km/L(JC08モードで70km/L)です。一方、トヨタのFCVコンセプト(水素エンジン車)の燃費は、WLTCモードで70km/L(JC08モードで45km/L)とされています。

このように、燃料電池車の燃費は、水素エンジン車よりも約50%優れています。

水素エンジンの課題

水素エンジンは、水素を燃料とする内燃機関です。水素を燃焼すると、水と熱が発生し、二酸化炭素は発生しません。そのため、水素エンジンはガソリンエンジンよりもクリーンな代替手段となる可能性があります。

しかし、水素エンジンには、以下のような課題があります。

水素の貯蔵

水素は、ガソリンや軽油などの化石燃料に比べて、圧縮や液化などの貯蔵が難しいという課題があります。そのため、水素エンジン車の普及には、水素の貯蔵技術の開発が不可欠です。

窒素酸化物(NOx)の排出

水素エンジンは、ガソリンエンジンと同様に、排気ガスに窒素酸化物が発生する可能性があります。窒素酸化物は、大気汚染や酸性雨の原因となるため、水素エンジンの普及には、NOxの排出量を抑える技術の開発が不可欠です。

燃費

水素エンジンの燃費は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンよりも低いという課題があります。燃費の向上には、水素エンジンの効率を高める技術の開発が不可欠です。

コスト

水素エンジン車は、ガソリン車やディーゼル車よりも高価であるという課題があります。コストの低減には、水素エンジンの量産化や、水素ステーションの普及が不可欠です。

これらの課題を克服するために、自動車メーカーや研究機関を中心に、さまざまな研究開発が行われています。

水素エンジンの課題を克服できれば、水素エンジンは、自動車のカーボンニュートラル化における有力な選択肢となる可能性があります。

グリーン水素

グリーン水素とは、再生可能エネルギー(再エネ)を利用して水を電気分解して生成される水素です。再生可能エネルギーで発電した電力を用いて水を分解するため、製造過程でCO2を排出しません。そのため、脱炭素社会の実現に貢献するクリーンなエネルギーとして注目されています。

グリーン水素の製造方法は、大きく分けて2つあります。

水電解

水電解とは、水に電気を流して水素と酸素に分解する方法です。再生可能エネルギーで発電した電力を用いることで、グリーン水素を製造することができます。

バイオマスガス化

バイオマスガス化とは、廃棄物やバイオマスを熱分解して水素を生成させる方法です。再生可能エネルギー由来の廃棄物やバイオマスを用いることで、グリーン水素を製造することができます。

グリーン水素は、燃料電池自動車や燃料電池発電などの分野で利用が期待されています。燃料電池自動車は、水素と酸素の化学反応で発電した電力でモーターを動かす自動車です。燃料電池発電は、水素と酸素の化学反応で発電した電力を利用する発電方法です。

グリーン水素の普及には、水電解やバイオマスガス化などの製造技術の開発や、水素ステーションの普及などが課題となっています。しかし、脱炭素社会の実現に向けて、グリーン水素の開発や普及が進められていくことになると期待されています。

水素エンジンを英訳

水素エンジンの英訳は、hydrogen engineです。

水素エンジンは、水素を燃料とする内燃機関です。水素を燃焼させると、水と熱が発生し、二酸化炭素は発生しません。そのため、水素エンジンはガソリンエンジンよりもクリーンな代替手段となる可能性があります。

Hydrogen engine is an internal combustion engine that uses hydrogen as fuel. When hydrogen is burned, water and heat are produced, and no carbon dioxide is emitted. Therefore, hydrogen engines have the potential to be a cleaner alternative to gasoline engines.

水素エンジンの具体的な英訳例としては、以下が挙げられます。

トヨタの水素エンジン車
Toyota hydrogen engine vehicle
水素エンジンの燃費
hydrogen engine fuel economy
水素エンジンの課題
challenges of hydrogen engines

また、水素エンジンを意味する単語として、hydrogen-powered enginehydrogen-fueled engineなども用いられます。これらの単語は、hydrogen engineと同義ですが、より具体的に、水素を燃料として動力を得るエンジンであることを強調する際に用いられます。

まとめ

水素エンジン車と燃料電池車の最たる違いは、新技術かどうか。効率だけを考えれば、燃料電池車一択。

追記

BMW やマツダが研究開発して、撤退した水素エンジン。なぜ今更トヨタが開発を始めたのか。そんな疑問から違いを調べ始めた。巨大な自動車産業を守るため、内燃機関の未来をつなぐ必要もあるのだろう。しかし技術的優位性で水素エンジンが燃料電池に勝るところは何もない。ならば、なぜ?と再び疑問に思ったところ、頭に浮かんだのは、

「そーいや、EVレースって、ウィーンx2 ウルサイよな。。」

ということ。

水素エンジン車と燃料電池車の違いで燃費の次に気になるのは、音。静粛性が求められる一般車両ならモーター駆動のほうが優位。でも軽量化で駆動音が響くスポーツカーでは、どうだろう。EVレースで響き渡るラジコンカーのような音。二酸化炭素問題でガソリンエンジンが使えないなら、水素エンジンでレースは競ってほしい。

「あぁ、水素エンジン、ありだ!」